まだふわふわとした気持ちが続いています。
11月の終り、祖父が亡くなりました。 何度か妖精さんに祖父の痛みが和らぐように助けをお願いしたことがあります。 入院していましたが、どうしもて家に帰りたいという本人の思いと、どうしても家で過ごしてもらいたいという親族一同の思いで、なんとか自宅に帰りました。 息も苦しく、会話も厳しく、モルヒネで意識も朦朧とする中、なんとか自宅に帰れました。 その三日後に眠るように息を引き取りました。 祖父の苦しむ姿は辛く悲しく、見るに耐えがたい姿でしたが、それでも最後までみんな介護をし耳元で声をかけて、明るく過ごせたように思います。母も「おじいさんは最後までいろんなことを教えてくれた」と言いました。 亡くなる数時間前です。その日も私は仕事で帰りが遅くなりましたが、でもなんだか祖父の家に行きたくなり、高速で行きました。 そこで夜ご飯を食べ、おじいさんに声をかけ、胸をさすりました。 帰るときは「また来るね。おやすみ。」と声をかけ、小さく「うんうん」と頷いてくれました。 その数時間後の深夜1時頃に、母から電話があり、呼吸が止まったと報告があり、また祖父の家に妹とかけつけました。 母がぱっと目を覚ました時、呼吸が止まっている様子で、本当に眠るようだったそうです。 悲しみや寂しさで涙が溢れましたが、みんな後悔はなく、自宅に連れて帰れたこと、介護をさせてもらえたこと、口もとまで水を持っていき飲ませてあげられたこと、この数ヵ月は祖父に捧げた時間でした。 辛さもありましたが、癒しでもありました。本当によかったとみんなで話しました。 だんだんと冷たくなっていく祖父に触れながら、私も本当に祖父の為に過ごせた時間が嬉しかったと、心から感じました。 親族のチームワークのよさ、優しさ、あたたかさ、この人たちと一緒で本当によかったと、一段と強く感じました。 あっという間に、お通夜と葬儀を迎えました。寂しさを味わうこともなく過ぎ去っていきました。 賑やかで明るく祖父を送りました。みなんで過ごせた日々はそれでも楽しく、あたたかかったです。 今やっと、日常に戻りつつあります。祖父が存在する日常と、いなくなってしまった日常では、こんなにも寂しいのかと実感しています。 不思議なこともありました。 夢をみたのですが、祖父が自分の入った棺を外から眺めている夢です。私はその姿を見つめていました。 祖父は自分の死を理解したということなのでしょうか。なぜだかわかりませんが、仕事、生活する場所、本当にここでいいのかな?このままでいいのかな?そんなことも考えています。 まだふわふわとした気持ちが続いています。 今思うことは、祖父が大事にしていたお寺にたびたび手を合わせに行くこと。 祖父の仏壇やお墓に絶えずお花を持っていきたい。これから私ができることはこんなことかなと思っています。 葬式の際、住職さんが言ってました。 「この世ではもう会うことはできませんが、自分もいつか極楽浄土でまたお会いしたい方です。」と。 祖父の人柄を感じ、涙涙でした。私は自分の寿命がわかりませんが、私もその世界でまた祖父に会いたい。 祖父のように朗らかで穏やかな優しさを胸に、まだまだ辛いですが生きていきたいと思います。 妖精さん、フローラさん、ありがとうございました。 【著書】 2024年2月刊行
2022年2月刊行
【妖精の庭】
