現地での住宅のお話やドバイの街並みの写真をシェアしてくださるようになってからなのですが、自分がずっとごまかしてきた違和感を認め、降参することができました



須王 フローラ様

いつも、フローラさんが「快適なお部屋に住めるようになりますように」と祈っています。

ドバイに行き、現地での住宅のお話やドバイの街並みの写真をシェアしてくださるようになってからなのですが。自分がずっとごまかしてきた違和感を認め、降参することができました。

それは、持ち家についてです。

現在わたしが住んでいるのは、2019年に家を建てると決め、35年ローンを組んで建てた家です。

それまでずっと、家を建てるつもりもなく、同じ場所に住み続けるイメージもなく生きてきました。

どこに住んでいても、数年後にはその土地を離れています。

けれど、夫がパン屋を開業するにあたり、どうしても物件が見つからずに店舗併用住宅を建てることにしたのです。

フローラさんのお言葉を借りて表すなら、「全てにおいて、自分の領分を超えている」選択でした。

一つひとつの過程で上手くいかないことがたくさん起きました。

ローンの審査がうまく通らない。

指定した建材と違うものが使われる。

指定した期日に、店舗部分の完成が間に合わない。

建ったばかりの家に、トラックが突っ込んで壁が壊れる。

工場につけたエアコンで除湿機能を使うと、床が湿気でべとべとになる。

挙げればキリがありません。笑

その小さな小さな違和感をごまかし続けて、ここまでなんとかやってきました。

違和感を確信に変える出来事は、工場部分の換気扇が壊れたことでした。

パン窯を置いているすぐ上に換気扇なんてつけたら、熱で壊れることなんてわかっていると思います。

ただ、設計した方はそこがわからなかった。

壊れたり、不具合が生じたり…最初から、気づいていたのです。

この家は早々に手放すことになる。

そして、手放すと決めるタイミングは今なんだと覚悟を決めました。

この人生で、わたしは家を建てるという経験ができました。

ローンを組み、そのローンと共に生きるためには、体力が必要なのだとよくわかりました。

稼ぎ続ける体力、払い続ける体力。

2019年に思い描いていたパン屋の暮らしや働き方と2024年現在は、内容も動かしているエネルギーも全く違います。

この建物と現在のわたし、現在の夫のパン屋のエネルギーは全然合っていません。

だから、来年息子が中学校を卒業するタイミングで、この家を離れます。

一つの土地に根を張るよりも、ふわりと軽く生きていきたいのです。

フローラさんが、ドバイでの住宅についてSNSやひよこ組でシェアしてくださっていることと自分自身の住宅に対する心境の変化がつながっていたことをお伝えしたく、今回のお返事を書きました。

また、フローラさんが奴隷だった時のお話も、壮大なファンタジーの中にいるような気持ちで読ませていただきました。

その時のフローラさんも、気高く美しい方だった映像が思い浮かびます。

お父様とお会いできた時のお話を聞かせていただけるときが来るのも、とても楽しみにしています。

わたしは、父母と決別するために生まれてきたと思っています。

小さな頃は、家にいながらにして「家に帰りたい」と思っている子どもでした。

父と母のつながりはとても深いように感じます。

何度も、近しい関係…親子や恋人として生きてきているのでしょう。

わたしはそんな二人に散々振り回されてきて、それでも二人を信じてきました。

今世で、二人はわたしのことを愛しているのかを確かめたかった。

何度もわたしを都合よく扱ってきたけれど、本当は愛してくれていると信じたかった。

結局、わたしは二人と距離を置くことにしました。かれこれ、9年ほど会っていません。

彼らとの関係を、今世で終わりにすると決めました。

もしかしたら、と期待するのは終わりにしました。

彼らに愛されたかったと思い続けてきた自分の気持ちに向き合ったので、彼らに対しての怒りや悲しみはもうありません。

父と母がいつまでも仲良く、幸せに暮らせることを心から祈っています。














【著書】
2024年2月刊行



2022年2月刊行



【妖精の庭】