フローラさんとの本当のはじめましては文章で、顔も声も知らないフローラさんにすぐに夢中になり癒やされ始めました
フローラさん、はじめまして。
メッセージを送るのは本当に初めてで緊張しています。
何度も編集してしまいなかなか送ることができませんでした。
私がフローラさんに出会った瞬間は突然のめぐり合わせでした。
必然的な「流れ」でしかなかったと今、思います。
私は癌になりました。
数ヶ月の間、検査をして待つ、再検査、の繰り返し。
それでもわからず手術をして検査をすることになりました。
私にとって、43にして初めての手術。
このまま…全身麻酔のまま目が覚めないかもしれない、私はきっと癌で人生は長くない…と考えては日々辛く体も心も緊張していました。
それと同時に、私は子持ちシングルなのですが、その時信頼していたパートナーの気持ちが、私の病気が疑われるころから離れているのを感じ、頼りたい時に拒絶され毎日ひっそりと一人泣く日々でした。
私は誰からも必要とされていない…孤独のままだ…と。
愛する子どもたちが近くに居るのに、そんなことを1番に感じてしまう自分がまた情けなく胸が押し潰されそうでした。
そんな時、奇跡的にフローラさんの存在に気づいたのです。
というのも…、たった一泊二日の入院手術が、私にとってはかなりハードルの高いもので、なんとか一人で乗り切らなければと対策を考えていました。
なんとか気持ちを奮い立たせ、先の明るい未来を思い描くため、今の自分がやりたいことは何かを考え、今こそお花の勉強をしたいと思い、お花についての講座の受講を決めたりもした時でした。
その頃は、お花がないと禁断症状が出て、疲れた時は花を飾ることでなんとか平静を保っていた時期でもありました。
入院して手術を待つ時間に、何か癒やされる、幸せになる、お花に関する本はないかと探し始めました。
アマゾンでお花の図鑑のような本を探していたところ、素敵な花の表紙に何故か惹かれ、どうしても気になりその本を購入するまでに時間はかかりませんでした。
「花神」でした。
図鑑を探していたのに、何故か読みたくて仕方がないと感じたのを覚えています。
入院の日に病院へ持っていき、午後の手術を待つ間、緊張しながらも自分をなんとか保つために本を開き読み始めました。
フローラさんとの本当のはじめましては文章で、顔も声も知らないフローラさんにすぐに夢中になり癒やされ始めました。
パートナーとの別れのようなものの真っ只中で、考えると涙が出るのを他のことで紛らわしてなんとか気持ちを保っていたそんな状態の私に、本の中でふと、フローラさんが言葉をくれました。
「あなたが愛していたあの人は、あなたと同じぐらい愛してくれていました。本当ですよ。」と。
温かく、なんとも言えない気持ちになり涙が出ました。
パートナーに裏切られた、と苦しかった思いが浄化されその瞬間に愛を感じ、少し許すことができました。相手も自分も。
さらに読み進め、手術の不安に押し潰されそうになりながら、お花の妖精さんに無駄かと思いましたが病室に来てくれるように頼みながら手術を迎えました。
無事に手術を終えたのですが、術後しばらくの時間、頭痛に苦しみました。
その際、妖精さんに縋るようにまたお願いをしました。
頭の上から痛みを出すイメージで、想像してみると、なんと痛みが逃げていき耐えられたのです。
妖精さんが居たかはわかりませんが、私はたしかに居たと信じています。
手術を経て、検査結果は癌ではありましたが、すべては良い方に流れていると信じ、今も気持ちを保つことができています。
同じ時期に、家族のことで悩んでいた友達に、私のように楽になってもらいたくて「花神」を渡しました。
友達はお守りのように持ち歩き読んでいたようで帰ってきたブックカバーはボロボロになっていて、それがとても嬉しかったです。
今は友達の間で回覧中の「花神」です。
【著書】 2024年2月刊行
2022年2月刊行
【妖精の庭】